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卵子に注入、5人誕生 ミトコンドリア不妊治療

 体外受精の際に母親本人の細胞内にあるミトコンドリアを卵子に注入する新たな手法で、4人の女性から5人の健康な子どもが生まれたと、大阪市の不妊治療クリニックが21日、発表した。カナダや欧州では250例を超す実施例があり、30人以上出生しているが、国内で子どもが生まれたのは初めて。妊娠率を高める効果があるとしているが、安全性や有効性は確かめられておらず、専門家からは疑問の声が上がっている。

 実施したのは「HORACグランフロント大阪クリニック」。治療は、卵巣から取り出した組織からエネルギーを作り出す役割のあるミトコンドリアを採取し、精子とともに卵子に注入する方法で行われた。森本義晴(もりもと・よしはる)院長は「ミトコンドリアの注入で受精卵の質が上がり、妊娠率が向上した。効果が出るメカニズムは分かっていない」と話している。

 27~46歳の33人の女性から組織を採取。このうち21人が受精卵を子宮に戻し、今年2~6月に妊娠時に27~36歳だった4人が一組の双子を含む計5人の子どもを出産した。出産時のトラブルはなく健康という。生まれた子の健康状態を5歳まで追跡し、安全性を確認するという。費用は1人につき約170万円。

 この治療は米企業が開発。2015年12月に日本産科婦人科学会から臨床研究としての承認を得て、同クリニックで治療が行われた。しかし、米食品医薬品局(FDA)は実施を認めていない。

 埼玉医大の石原理(いしはら・おさむ)教授(産婦人科)は「この治療が出産につながった根拠は何もない。加齢とともに増える卵子の核の異常は、ミトコンドリアで改善できないはずだ」と話している。

 ※ミトコンドリア

 細胞の内部にある小さな器官の一つ。「細胞の発電所」とも呼ばれ、細胞の働きに必要なエネルギーを作る。ミトコンドリアが正常に働かないと細胞の活動が低下し、さまざまな影響が出る。ミトコンドリアは、卵子の正常な成熟や受精にも重要な役割を果たすとされ、機能について多くの研究が行われている。細胞の核には両親から受け継いだDNAがあるが、ミトコンドリアは母親だけから受け継いだ独自のDNAを持っている。

出典:共同通信社

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