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多胎妊娠、選別して中絶57件 長野のクリニックが実施
2人以上の多胎妊娠の妊婦に、染色体異常などが見つかった胎児だけを中絶する手術をこれまでに57件実施したと、諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町)が26日、明らかにした。近年、双子以上を妊娠し、出生前診断で一部の胎児に異常が見つかって「減数手術」を希望する人が増えているという。
根津八紘院長が、東京都内であった日本受精着床学会で発表した。同クリニックでは、1986年から約30年間で約1130件の減数手術を実施。このうち、超音波検査や羊水検査などで、胎児の染色体異常が見つかり、実施した手術は28件。体に水分がたまってむくむ胎児水腫などの病気が見つかったための手術が29件あったという。
妊娠12週以上の場合、09年以降は胎児の異常が理由で実施した減数手術と多胎妊娠という理由が半数ずつ。それ以前は多胎が理由のことが多かった。
減数手術は、母体保護法に規定がなく、旧・厚生省の専門委員会の報告書(2000年)では「原則として行うべきでない」とし、中絶する胎児を選別することも認めていない。根津院長は「(減数手術は)水面下でかなりあるのではないか。法的にしっかり位置づけるべきだ」と話した。(合田禄)
出典:朝日新聞