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受精卵検査で妊娠率70% 神戸の医院、学会指針違反 新技術導入と発表
体外受精した受精卵にある全染色体の数の異常を調べ、正常な受精卵を選んで子宮に戻し、出産につなげる「着床前スクリーニング」(受精卵検査)に新技術を導入した結果、妊娠率が約70%になったと、不妊治療専門の産婦人科医院「大谷レディスクリニック」(神戸市)が28日明らかにした。
日本産科婦人科学会(日産婦)は、指針で実施を認めているケースではなく、実施承認を得るための申請もないとして「指針を守るべきだ」と批判。「命の選別」につながるとの指摘もある。
導入した技術は大量の遺伝情報を高速で読み取れる「次世代シーケンサー」。染色体の異常発見精度が向上し、従来の技術であった見落としがほぼなくなったという。
導入した今年1月から3月上旬までに72件(平均年齢39・9歳)の検査を実施し、うち51件で妊娠を確認した。検査を受けなかった166件(同37・1歳)の妊娠率は約49%だった。
昨年6~12月に従来の技術で検査した239件の妊娠率は約63%で、大谷徹郎(おおたに・てつお)院長は「これまでの技術より妊娠率が高くなった」と説明した。
日産婦は指針で、重い遺伝病と、染色体の特定の形の異常による習慣流産に限り受精卵の「着床前診断」を認めている。
大谷院長は28日の記者会見で「着床前スクリーニングは流産を防ぎ、不妊の方が子供を産むための治療。命の選別には当たらない」と主張した。
一方、大谷院長は、着床前スクリーニングをし、子宮に戻せる受精卵が見つからなかったケースもあったと説明した。
※着床前スクリーニング(受精卵検査)
体外受精した受精卵を子宮に戻す前に染色体の数を検査し、異常のない受精卵だけを戻して出産を試みる技術。初期段階の受精卵から数個の細胞を取り出し検査する。日本産科婦人科学会は、検査の在り方を探る学会主導の臨床研究計画を進めている。
出典:共同通信社