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匿名第三者の卵子で体外受精、NPOが仲介…国内初
病気などで自分の卵子で妊娠できない女性を対象に、第三者の卵子提供を仲介するNPO法人「卵子提供登録支援団体(OD―NET)」(神戸市)は27日、女性2人に卵子を提供したと発表した。
それぞれの夫の精子と体外受精を行った。今後、受精卵を子宮に戻し、順調にいけば来年にも子どもが生まれる。国内では、一部の医療機関で姉妹や知人による卵子提供が行われているが、仲介による匿名の第三者からの卵子提供は初めて。国内で今後、こうした新たな形の卵子提供が広がる可能性もある。
卵子提供を受けたのは、いずれも早い時期に月経がこなくなる「早発閉経」で成熟した卵子のない30歳代の女性。2人の提供者も30歳代の女性だった。
同団体は、病気で卵巣機能が低下した40歳未満の女性を対象に、卵子提供を仲介しようと不妊治療クリニック団体「JISART(日本生殖補助医療標準化機関)」などが中心になって2013年1月に設立された。卵子提供を望む夫婦が、自ら提供者を見つけることは現実的に難しく、子どもがいる35歳未満の女性から無償での卵子提供を募った。これまでに230人以上の応募があった。年齢や居住地などから卵子の希望者との組み合わせを決め、10組で卵子提供の準備を進めていた。採卵などは、JISARTの加盟施設が行った。
卵子の提供者と夫婦には互いの情報は知らされないが、生まれた子どもが15歳になった時点で、子どもが希望すれば提供者の氏名や連絡先が開示される。
東京都内で記者会見したOD―NETの岸本佐智子理事長は「安心して卵子提供が行えるためにも、国は一刻も早くルール作りを進めてほしい」と話した。
出典:読売新聞