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加齢卵子染色体異常、一価染色体の誤り起因
理化学研究所などの国際研究グループは、加齢による卵子の染色体数異常は卵母細胞の減数第1分裂における染色体の早期の誤った分離が主要な原因であることを突き止めた
卵母細胞では通常、母方と父方の配偶子に由来する2対の染色体(相同染色体)からなる二価染色体から減数第1分裂する。しかし、老化した卵母細胞では二価染色体が減数分裂前に分離した一価染色体による卵子への配分(均等早期分配)が染色体数異常につながっていた。一価染色体は染色体配分の誤りを起こしやすい。
これは、マウスによる実験で得られた成果で、さらに老化マウスでは300以上の卵母細胞のうち20細胞から一価染色体分離による染色体数の誤りがあったのに対し、若いマウスからは見つからなかった。減数第1分裂の一価染色体による分配の誤りは、父母両方の染色体からの複製(姉妹染色分体)を分配する均等早期分配、父母いずれかの染色体からの姉妹染色分体を分配する不均等早期分配、父母の染色体が分かれない不分離に分類される。
マウスの実験では、均等早期分配による染色体数異常が全体の8割だった。この均等早期分配は減数第一分裂の誤りだが、減数第2分裂後の染色体数異常につながる。老化すると二価染色体を維持する染色体接着因子コヒーシンの量が減少するためという。
卵子の染色体数異常は、受精してもほとんどが出産までいたらず、出産しても流産胚やダウン症などの染色体数異常による先天性疾患の要因となる。
出典:化学工業日報