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不妊相談1137件、最多更新 栃木県内16年度 男性2割、全体押し上げ 新設の治療費助成低調
不妊相談全般の窓口となっている県不妊専門相談センターへ2016年度に寄せられた相談は1137件で、前年度より90件(9%)増加し過去最多を更新したことが、22日までの県こども政策課のまとめで分かった。男性からの相談が99件増え、全体を押し上げた。一方、16年度に新設された男性を対象にした不妊治療費助成件数は、6件と低調だった。同課は「男性も検査や治療を行ってほしい」と呼び掛けている。
16年度に寄せられた相談のうち、76%が女性からで、男性からが21%、夫婦が3%だった。前年度は男性の割合が13%で、16年度は8ポイント上がった。
男性の相談が増えた要因について同課は、男性不妊に対する理解が県内でも広がっているためとみている。
年齢別では30代が42%で最多。40代が27%、20代が7%と続いた。内容別では治療が受けられる医療機関を聞くなどの「医療・情報」が38%で最も多かった。治療以外の悩みが34%、治療に関する悩みが17%、妊娠しても流産や死産を繰り返してしまう「不育症」に関する悩みが4%だった。
一方、16年度の県内の特定不妊治療費助成件数は前年度比312件(12%)減の2199件で、04年度の制度創設以来初めて前年度を下回った。16年度から助成回数の上限が下がり、妻の年齢が43歳以上になると助成対象外となったため。
16年度から助成額の上限を初回に限って従来の15万円から30万円に引き上げたため、助成額は前年度を2500万円上回る4億900万円だった。
県は16年度から、精巣から精子を取り出す手術など男性の不妊治療にも、1回につき15万円を上限に助成することとした。しかし初年度は、周知不足もあり6件と少なかった。
同課は「不妊の原因は男性にも女性にもあり、その割合はほぼ同じ」とした上で、「早期に不妊の原因を明らかにするためには、男性も女性も同時に検査を行い、男性に対する治療費助成制度も有効に使ってほしい」としている。
出典:下野新聞