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「男性不妊」啓発進む 医療機関も体制強化
男性に原因のある不妊症について、静岡県内の自治体や医療機関が啓発や診療体制を強化し始めた。卵子の老化と不妊の関係が知られるようになった半面、不妊の半数は男性側にも原因があるとされることから、男性の受診を促すことが狙いだ。
2015年度、男性不妊治療の手術に対する助成を始めた静岡市の場合、初年度の申請は3件だったが、16年度は11件に伸びた。担当者は「医療機関にパンフレットを置くなどして啓発したのが奏功した」とみる。県によると、17年度までに県内の全市町が男性不妊治療を助成制度の対象に含めた。
男性不妊には、遺伝子異常や病気などで生殖機能に問題が生じる場合のほか、生活習慣との関わりも指摘されている。世界保健機関(WHO)の調査によると、不妊の原因が女性だけにあるケースは41%、男性だけは24%、男女両方が24%。夫婦で不妊治療に取り組むことが重要だ。
沼津市の不妊治療専門「いながきレディースクリニック」は3月、男性不妊をテーマに市民公開講座を開いた。稲垣誠院長は「参加者は男性6割、女性4割で、男性の関心の高さを感じた。とはいえ、受診をかたくなに拒む男性もいまだにいるのも事実」と話す。
男性が受診しやすい環境をつくるため、静岡市駿河区の不妊治療専門「俵IVFクリニック」では今月13日から、医師の事務作業を補助する「診療クラーク」に男性を置く。
男性不妊外来の担当医師は男性だが、電子カルテの入力などを行う診療クラークは、これまで女性しかいなかった。男性患者から「女性がいると話しづらい」という声が寄せられたのを受け、胚培養士のアシスタントを務める堀川晃さん(20)が診療クラークを兼務することになった。
俵史子院長は「不妊は男性にとってもデリケートな問題。リラックスして診察を受けていただけるようにしたい」と話す。医療事務の専門学校で、同級生中ただ1人の男子生徒だったという堀川さんは「診察室でのやりとりをスタッフに的確に伝えるのが仕事」と気を引き締め、研修に励んでいる。
出典:静岡新聞