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妊活、不妊カップル 山梨大病院医師が助言
赤ちゃんがほしくて妊活、不妊治療をしている「ベビ待ち」のカップルが増えている。今すぐにでもほしいけど、なかなか授からない…。そんなとき、まずは何から始めればいいのか。山梨大医学部産婦人科助教で同大付属病院医師の小川達之さん(33)に聞いた。〈桑原久美子〉
小川さんは、同病院で主に不妊治療を担当。晩婚化などに伴い、妊娠を望んでいてもなかなか至らない「不妊」に悩んでいるカップルは増えていると感じている。「まずは自分の体のこと、妊娠の仕組みについて知ってほしい」と呼び掛ける。
◎年齢が重要
一般的に、避妊をせず、通常の夫婦生活を営んでいるカップルのうち50%は3カ月、70%は6カ月、90%は1年で妊娠に至るとされ、日本産科婦人科学会は1年たっても妊娠しないことを不妊と定義。およそ1割のカップルが不妊とみられるという。
不妊の原因は、男性側にある場合、女性側にある場合などさまざまなケースが考えられるが、「年齢は、誰もが影響を受ける重要な要素」と小川さん。20代前半女性の妊娠率を100%とすると、30代後半で約70%、40代は50%以下に低下。体外受精などの成功率は20~30代は30~40%だが、30代後半から下がり、40代後半で5%を切る。一方、流産のリスクは年齢が上がるほど上昇。20代は1割だが、40代は5割に高まるという。
「妊活を始めて1年たたなくても、なかなか妊娠しないと思ったときが不妊と言ってもいいかもしれない。そのときが受診どき。『いつかそのうち』と思っている間に年を取っていく」。特に30代後半以降は、早めの受診を勧める。
それでは不妊治療はどのように進むのか。検査で分かった原因によって人それぞれだが、基礎体温や卵胞の大きさをチェックすることで排卵のタイミングをつかみ、夫婦生活を行う「タイミング法」や、排卵が不順な人向けに排卵誘発剤を使う方法、精液から不純物を除き子宮内に入れる人工授精などが一般的。さらに生殖補助医療として、体外受精、顕微授精がある。
2014年に日本で生まれた赤ちゃんのうち4・5%は生殖補助医療によるとされ、「自然妊娠でないことに抵抗がある人もいるが、今は不妊治療が珍しい時代でも、恥ずかしい時代でもない」と理解を求める。
◎助成を活用
気になるのは、お金の問題。人工授精は1万円程度、体外受精からは自費診療になるため30万円台、顕微授精は40万円台かかる。「経済的負担は大きいが、年齢や世帯収入によって自治体の助成が受けられるので、制度を活用してほしい」
普段からできることは何だろう。小川さんは、まず、バランスの良い食生活、適度な運動を心がけ、健康な体づくりをするようアドバイス。喫煙は女性の卵巣機能低下や子宮外妊娠などのリスク増、男性の精子の減少や運動率低下に影響するとされ、男女とも禁煙を勧める。
妊活や不妊治療は精神的な負担も少なくない。「うまくいかなければいかないほどつらいと思うが、ストレスも妊娠に影響する。あまり思い詰めず、適度に発散してほしい」と小川さん。夫婦間の関係づくりも重要。「二人でよく話し合い、子どもがほしいと思ったら協力して前向きに取り組んで」と呼び掛ける。
出典:山梨日日新聞